三菱UFJ信託銀行が、
ステーブルコインを始めとするデジタルアセット全般の発行・管理基盤「Progmat」の提供を目指して、デジタル証券の発行・管理プラットフォームを担う新会社「プログマ」を設立することが注目されているね!
このプラットフォームの実用化は、2024年初夏に実現を目指しているんだって🌟
その背景には、2023年6月1日に施行された改正資金決済法が関係しているんだよね!
2022年、日本では世界の先進国に先駆けて、ステーブルコインを「電子決済手段」として定義する改正資金決済法が可決されました。
そして2023年6月1日に施行された改正資金決済法によって、法定通貨を裏付けとするステーブルコインの発行が可能となりました。
これにより、「ステーブルコイン元年」とも言える盛り上がりを見せています。
✍️この記事を読むとわかること ✅2023年6月1日に施行された改正資金決済法によって定義された「ステーブルコイン」とは何かが分かる ✅三菱UFJ信託が「国産ステーブルコイン」の発行を目指す理由が分かる ✅「国産ステーブルコイン」発行のメリットが分かる ✅国産ステーブルコイン」発行が私たちの生活に与える影響が分かる
ステーブルコインとは
ステーブルコインは英語の「stable」から名づけられていて、これは安定した・変動のないという意味が由来しています。
ステーブルコインは、
「暗号資産のボラティリティ(価格変動)が高すぎる」という問題点を補うため、法定通貨として価値が安定している米ドルなどと連動させようという発想で生み出されました。
※BTCやETHをはじめとする従来の暗号資産は価格変動(ボラティリティ)が大きく、法定通貨にはない多くのメリットを備えているものの、決済手段としての実用性・安定性には欠けるという問題点がある。
そして2023年6月1日に施行された改正資金決済法によって、ステーブルコインは、「法定通貨による裏付けで価格が安定されるように設計されたデジタル通貨である」と定義されました。
この改正法により、ステーブルコインが暗号資産とは明確に切り分けられ、法定通貨に償還可能なものだけがステーブルコインとして定義され、「利用者保護」の側面を意識していることがうかがえます。
これによりステーブルコインは、ブロックチェーン上で発行される米ドルや日本円などの信頼性および安定性のある特定の資産価格と連動するように設計されたデジタル通貨となりました。
※ブロックチェーン上で発行され、法定通貨と価値が連動するように設計されたコイン。
法定通貨に連動するステーブルコインであれば、デジタルでありながら法定通貨と同等の価値を持つことになります。
このように、
今回の法改正によりステーブルコインは、「法定通貨による裏付けで価格が安定されるように設計されたデジタル通貨」と定義されました。
✅価格が安定していて暴落するリスクが低い →ブロックチェーン上で発行され、法定通貨と価値が連動するように設計されたコインである。 ✅ブロックチェーン上で発行されたデジタル通貨なので送金が早い、手数料が安い ✅法定通貨の代わりとして利用できる
デジタルアセットとして、ステーブルコインは以下のように定義されているよ🌟
出所:三菱UFJ信託銀行株式会社 (経営企画部デジタル企画室)
三菱UFJ信託が「国産ステーブルコイン」の発行を目指す理由
銀行がなぜ、ステーブルコインに取り組むのか
そもそも銀行がなぜ、ステーブルコインに取り組むのかについては、当プロジェクトの根幹となるProgmat株式会社 代表取締役 Founder&CEOに就任予定の齊藤達哉氏が下記のように述べています。
「Web3分野で新しいビジネスを開拓していくことが一番のモチベーション。銀行が連携して新しいものを作っていきたい」とプレゼンテーションで語っています。
どういうことかと言うと、
金融機関が連携して国産のステーブルコインを発行することを目標に、いろんなことを共有したり、技術を検証したり、具体的な実務での有用性を増やして、なる早で現実社会に実装していくことを目的としているということです。
実務での有用性としての具体例としては、「国際送金(クロスボーダー決済)」が挙げられます。
例えば、
これまでのクロスボーダー決済ではコストや時間がかかっていたが、ステーブルコインを使えばこれらを抑えることが可能になる。商社や自動車メーカーなど、海外決済の多い企業での貿易決済の効率化が期待できます。
また、国内においても
企業間決済でステーブルコインが利用できるとなれば、手数料を重視する企業、とくに個人事業主が利用する余地は十分あります。
また、日本のステーブルコイン法制については、信託型ステーブルコインは「ライセンス不要」かつ「倒産隔離された安全性」があり、最も制約のない類型と位置づけています。
この信託型ステーブルコインの特性を利用したステーブルコインの発行パターンは、発行依頼者別に見て「銀行コイン、海外コイン、自社コイン」の3つが考えられるとし、3パターンのプロジェクトで「約1000兆円と言われる法人決済/貿易決済を狙う」と将来像を予測している模様。
これをふまえて、
2030年までに約2300兆円にのぼると推定されるRWA(現実資産)のトークン化市場も視野に入れているようです。
実際に、
三菱 UFJ 信託銀行では、2023 年 6 月施行の改正資金決済法に則ったステーブルコインを発行する ためのインフラとして、「Progmat Coin」基盤の開発を主導しています。
Ethereum などのパブリック ブロックチェーンを含む各種ブロックチェーン上でのステーブルコインの発行と滑らかな相互移転・交換を企図し、各種技術提携も発表しています。
「Progmat Coin」基盤を用いたステーブルコインは、取り扱う仲介業者が関係当局へのライセンス登録を完了し次第、 発行・流通が可能になる予定のようです。
というわけで、
三菱 UFJ 信託銀行株式会社は、複数の金融機関と横断的に協働のうえ、日本法に準拠したステーブルコインの発行・管理基盤 である「Progmat Coin(プログマコイン)」基盤を活用し、グローバルに流通可能な “国産ステーブルコイン” の発行に向けた共同検討を開始しました。
この “国産ステーブルコイン” の共同検討を通じて、金融機関横断的にビジネス面・技術面の知見を 共有しつつ、利用者の圧倒的な利便性向上を目的としたステーブルコイン発行を目標に、日本発で グローバルなデジタルアセット市場の発展に寄与することを目指すと発表されています。
そもそも、
2023年6月1日から施行された改正資金決済法で、『ステーブルコインを電子決済手段』と定義されたことがこの動きの背景にあるよ。
ステーブルコインは暗号資産の弱点となるボラティリティの高さを排除でき、既存の法定通貨にはないブロックチェーンという最先端の技術を兼ね備えた資産であるという点で、次世代を担う資産になりうるよね。
三菱UFJ信託が発行する「国産ステーブルコイン」がグローバルに使用されてるようになったら、この分野で一歩リードを取れるかもしれないってこと!?
「国産ステーブルコイン」発行のメリット
✅価格が安定しているので決済手段として使いやすい ✅セキュリティートークン(デジタル証券)との交換で価値の即時移転が実現 →証券とその対価となる資金双方がブロックチェーン上で管理され、取引がチェーン上で完結するため、価値の即時移転が実現する。 ※現在の証券取引では、取引の約定から決済まで数日を要しているが、デジタル証券化することで即時移転が可能になる。さらに、双方での約定金額の確認、送金指図、着金確認などに要していた事務コストや、手作業による事務ミスの発生リスクを削減できる可能性がある。 ✅銀行が連携して共通基盤としてProgmatCoinを活用することで、利用者に高い利便性を提供できる →送金が早い、安い、しかも誰でもどこからでも送金可能 ※「ProgmatCoin(銀行コイン)」をどこか1つの銀行が単独で手掛けるのではなく、各銀行が連携して共通基盤としてProgmatCoinを活用することで、利用者に高い利便性を提供することが可能になり、日本発の高品質なステーブルコインとしてグローバルなデジタルアセット市場を狙っていける。 ✅銀行自体も省力化とコスト削減が実現可能 ※既存の銀行送金の手数料は高い、時間がかかる、煩雑 ✅グローバルな展開を視野に入れ、イーサリアムブロックチェーンを使用するため、グローバルで広く使用される可能性がある ※日本は世界に先駆けてステーブルコイン法制を整えたこともあって、世界で最も信頼性・安心感の高いステーブルコインとなり得る。つまり、現在最も信頼性が高いとされる米ドル連動型ステーブルコインのUSDコイン(USDC)に対抗するものになり得る。
これまでは、
貿易などで国際送金する場合、国際銀行間通信協会(SWIFT)などのシステムを使う必要があって、送金が完了するのに数日かかるし手数料は高いし手続きが複雑だったんだよね。
それが、
ステーブルコインを使えば、その面倒な仕組みを解消できて、「早い・安い・簡単」に送金が完了できるようになるってことだね🌟
利用者側にも銀行側にも良いことづくしでwin-winなんだね₍˄·͈༝·͈˄₎◞🌟
どんなステーブルコインが採用されるの?
国産ステーブルコインには、
デジタルアセット全般の発行・管理基盤「Progmat」の構成要素のひとつである「Progmat Coin(プログマコイン)」基盤を利用するんだって🌟
国内だけにとどまらずグローバルな展開を視野に入れていて、発行対象のチェーンは、イーサリアムブロックチェーンを使用するってところが魅力のひとつだよね!
国産ステーブルコイン「Progmat Coin」の概要
出所:三菱UFJ信託銀行株式会社 (経営企画部デジタル企画室)
Progmat Coin(プログマコイン)の目的は、 『デジタルアセット領域におけるユニバーサルな資金決済手段を提供すること』
Progmat Coinは、
『「1Coin=1円」で価値が固定化された分散型台帳上で、移転可能なステーブルコインを発行・管理するためのプラットフォーム』と説明されています。
ステーブルである(安定した・変動のない)という価値の固定化について、法定通貨を裏付資産とした受益証券発行信託を組成し、1円単位の受益権をステーブルコイン化することによって償還の確実性を担保するとされてます。
また、
『デジタルアセット領域におけるユニバーサルな資金決済手段を提供すること』を目標にしていることから、Progmat上で発行されたセキュリティトークン・その他のセキュリティトークン基盤上で発行されるセキュリティトークン・NFT・暗号資産についてもブロックチェーン上での即時グロス決済の対象にすると共に、CBDC(中央銀行デジタル通貨)や他の民間デジタル通貨等の決済手段ともシームレスに交換可能な仕組みを整備していくと説明されていました。
ちなみに、
スイカやPayPay、楽天ポイントなども電子マネーですが、ステーブルコインと〇〇Payとの大きな違いは、プログラムで取引を実行できることです。
〇〇Payは入金するまで時間がかかりますが、ステーブルコインは受け取ってからすぐに使うことができるようになります。また、取引手数料が安く済みます。
また、〇〇Payと違い、加盟店以外でもステーブルコインが使えるようになります。
でも、
世界の中央銀行が発行を目指しているCBDC(中銀デジタル通貨)が発行されたらどうなるの?
それに、
日銀や財務省も「デジタル円」発行を視野に準備を始めているよね?
それに関して三菱UFJ信託は、
「ステーブルコインとCBDCとはすみ分けが可能。デジタルの領域で主導権を取りにいきたい」って主張しているよ🌟
いずれ、CBDCを目指すけど、その移行期が必要だからまずはステーブルコインで慣れていこうよってことなのかもね。
私達の生活にどう関わるの?
国内ステーブルコインの発行は、今まで暗号資産に全く関わってこなかった人たちも巻き込んだ大きな動きとなる可能性が高いです。
これまでは、シームレスじゃなかったり、デジタルウォレットの作成方法が難しかったりなどのハードルがいくつかありましたが、そのハードルが取っ払われて、そのうちUXがどんどん良くなっていくと考えられます。
そうなったら今よりずっと多くの人が参入してくることが予想できるからです。
だって使用するのが容易で便利だったらみんな使いますよね。
そうすると、企業側も使用側もメリットや使用する意味みたいなのががどんどん増えていくことになります。
そうなったら使わない手はない。で、使用する人がもっと増える。
このループでステーブルコインの流通が広がると、ありとあらゆるお金のやり取りがステーブルコインで行われることになっていくことが予想されます。
また、NFT取引やブロックチェーンゲームなどブロックチェーン上の商品決済にも使用される想定のようです。
企業間の取引は、毎年1000兆円以上あります。その一部をブロックチェーンとステーブルコインにて自動化し、権利の引き渡しと代金の支払いを同時に行うことができるステーブルコインの強みを活かした使われ方を想定しているとのことです。
また、資金効率や資本効率を非常に高めることができる可能性があります。
ステーブルコインはプログラムされたお金なので、自動取引や自動決済ととても相性が良いです。
また、国際規格を統一することによって送金手数料を減らし、会計や税務を自動化し省力化できる可能性があります。特に国境を跨ぐような決済でその効果を発揮します。
なんでもそうだけど、いきなり変化に対応できるようにはできていないから、徐々にに徐々にを重ねて、いずれは「CBDC」に移行していく形になるのかもしれないね🌟
まとめ
✅2023年6月1日に施行された改正資金決済法によって、ステーブルコインは、「法定通貨による裏付けで価格が安定されるように設計されたデジタル通貨である」と定義された ✅三菱UFJ信託が「国産ステーブルコイン」の発行を目指す理由が分かる ✅Progmat Coinは、「1Coin=1円」で価値が固定化された分散型台帳上で、移転可能なステーブルコインを発行・管理するためのプラットフォームで発行されるコイン ✅「国産ステーブルコイン」発行のメリット →・価格が安定しているので決済手段として使いやすい ・価値の即時移転が実現 ・銀行が連携して共通基盤としてProgmatCoinを活用することで、利用者に高い利便性を提供できる(送金が早い、安い、しかも誰でもどこからでも送金可能) ・銀行や企業も省力化とコスト削減が実現可能 ・グローバルな展開を視野に入れ、イーサリアムブロックチェーンを使用するため、グローバルで広く使用される可能性がある ✅「国産ステーブルコイン」発行が私たちの生活に与える影響 →ステーブルコインの流通が広がると、ありとあらゆるお金のやり取りがステーブルコインで行われることになっていくことが予想される。
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