前回の【世界で一番伸びる国】2030年までに日本はインドに抜かれる【インドに投資しろ】
という記事で説明したように、
インドが世界経済の中心となりうる
ポテンシャルを持った国であることは間違いないことは明確になりました。
ですが実際に投資を行うとなると、どのようなリスクが伴うのか
不安な人もいるのではないでしょうか。
今回の記事では、
『インドに投資する場合のリスクと注意点』について解説をしていきたいと思います。
インドに投資するからには
リスクや注意点をちゃんと把握しておきたい。
具体的にどんなリスクや注意点があるの?
- 財政赤字とインフレ懸念
- 日本からインド市場へ直接投資を行うことができないことによるリスク
→カントリーリスク・為替変動リスク
では、一つずつ見て行きましょう!
財政赤字とインフレ懸念
インドの経済は近年急速に伸びてきたことは間違いありませんが、
財政的に安全かどうか不安がありますよね。
インド経済が長期的に慢性的な財政赤字が続いていることは確かです。
2020年12月の三菱UFJリサーチ&コンサルティング(以下MUFG)が発表した経済レポート
ではインド経済における慢性的な財政赤字に対して以下のような懸念を指摘しています。
大規模な財政赤字の慢性化は、インフラ整備を阻害し、
出所:三菱 UFJリサーチ&コンサルティング
それが、インド経済の供給サイドの脆弱さをもたらし、
また、外資系製造業のインド進出を躊躇させる原因になってきた。
さらに、財政赤字が大規模かつ慢性化していることは、
恒常的にインフレ圧力や形状赤字拡大を高めるなど、
健全なマクロ経済を妨げる要因にもなってきた。
このように、財政赤字はインド経済にとって大きなボトルネックとなってきた。
その財政赤字が
コロナショックの影響(歳入減少と景気対策支出増加)で一層拡大しており、
インドの今後の経済成長を制約しかねない状況となっていることには注意を要する。
このような懸念がある中、
インド経済が回復し、インドの株価が過去最高値を記録するまで上昇している理由として
MUFGは、下記のように考察しています。
インド経済が、慢性的な財政赤字・経常赤字という
出所:三菱 UFJリサーチ&コンサルティング
「基礎疾患」を抱えているにも拘わらず、通貨ルピーの 為替相場は
四大新興国 BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)のなかでも比較的安定している。
インド には、巨大な人口と経済成長ポテンシャルの高さに魅かれて
世界中から資金が流入、資本流入超過が
経常赤字をオフセットするパターンが定着している。
これによってもたらされる国際収支面でのソルベンシ ー・リスクの低さを背景に、
ルピーの相場が安定的に維持されていると言えるだろう。
これはインドの今後の経済成長に対する投資家の期待感が
非常に高いことに裏付けられたものと言えよう。
ポスト・コロナの株式市場では、
BRICsの中で、インドの独り勝ち状態が続きそうな気配である。
カントリーリスク
日本からインド市場へ直接投資を行うことができないことによるリスクとして、
カントリーリスクや為替リスクというものが生じます。
一般的に、インドなどの先進国以外の国の証券市場は、
欧米等の先進国に比べて市場規模や取引量が小さく流動性が低いと考えられます。
そのためインフレ、国際収支、外貨準備高等の悪化、
また政治不安や社会不安あるいは他国との外交関係の悪化などが
株式市場や為替市場に及ぼす影響は、先進国以上に大きくなることが予想されます。
新興国の経済状況は先進国経済と比較して一般的に脆弱である可能性が高いためです。
また、当該国の政変、経済事情の変化等により市場が混乱した場合や、
政府当局により有価証券取引に対して新たな規制が導入された場合等には、
証券市場が大きな影響を受け、ファンドの基準価額も大きく下落する可能性があり、
大きな損失を被むるリスクがあります。
為替変動リスク
為替ヘッジがない場合、外貨建資産については、為替変動の影響を直接的に受けます。
ファンドの基準価額は主に円対米ドル、
米ドル対インドルピーの為替相場の動きにより変動します。
円高になった場合、
投資する外貨建資産の円貨建価値が下落しファンドの基準価額が下落する要因となり、
損失を被り投資元本を割込むことがあります。
※一般に円高局面ではファンドの資産価値が減少します。
以上のようなリスクがあるということも把握した上で、
今後のインドの経済成長への投資を検討し、
自身にあったポートフォリオのリスク許容範囲内で投資を行なっていきましょう!
本日も最後までお読みいただきありがとうございました◎
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