今月7冊目は、
『どこでも誰とでも働ける〜12の会社で学んだ”これから”の仕事と転職のルール〜/尾原和啓 著』
を読みました。
本書が伝えたい内容は、
自分は何ができるのかを明確にし、
その点においてはプロフェッショナルであることが求められるということ。
目の前の仕事を「自分事」として考え、
自分が何者であるか、
何ができて何ができないかを、
自分の責任で「プロフェス(公言)」することが、
これからの働きかたに求められているということ。
そのようにして信頼される「プロ」になれば、
「どこでも誰とでも」働くことができます。
自分の名前で生きる勇気を持つ
ネット上で仕事を受けている人たちの中では、
会社に属して仕事をしている人たちよりも、個人の名前で活動している人が増えています。
それがリアルな世界でも当たり前になってくると考えられます。
その狭間の時代に生きている今の人たちにとって、
会社の中に縮こまっていたり、ぬるま湯に浸かっていたりすることで
個人の名前を使わない生き方をすること自体が、
1つのリスクになってきているわけです。
今この時代に合わせて
「自分の名前で生きる勇気を持つ」選択肢をつくることが大切なんだということを
著者は教えてくれています。
だからこそ、
「何か」のプロフェッショナルとして、
いまいる会社のブランドや肩書きに頼って仕事ができる環境をどこかで手放し、
会社に依存しすぎず、
自分の名前で生きていく覚悟が求められていることを警告しているともいえます。
失敗を前提とした「DCPA」
インターネット時代にふさわしい働き方とは、頭でっかちになるよりも、
出所:どこでも誰とでも働ける〜12の会社で学んだ”これから”の仕事と転職のルール〜/尾原和啓 著
まず行動したほうがたいてい勝つということです。
あれこれ悩んでいるヒマがあったら、とにかく動いたほうが、
結果的に早く正確にたどり着く。
トライ&エラーで、失敗してもすぐにやり方を見直して、
再度トライすればいいわけです。
これまでは「PDCA」として、
プラン(計画)を立ててドゥ(実行)し、
結果をチェック(検証)して次のアクション(改善)に結びつけるという繰り返しで
最適解が見つかるとされていました。
ネット時代では、スピードがより重要視されるため、
プランづくりに時間がかかりすぎることは致命的な問題になります。
ネット時代にふさわしいのは、とにかくどんどん実行してみて、
出所:どこでも誰とでも働ける〜12の会社で学んだ”これから”の仕事と転職のルール〜/尾原和啓 著
あとから軌道修正をはかるDCPAです。
より正確には、
DC→DC→DC→DC→・・・とドゥとチェックを短期間で何度も繰り返して、
とにかく答えを見つけること。
求められているのは、できる限り速く結果を見つけることだからです。
変化が激しい今となっては、
時間を費やしてあれこれ調べて、詳細を詰めたプランをつくっているあいだに、
世の中の流れが早すぎるあまり、
そもそもの状況が変わってしまうというリスクが出てきてしまいます。
せっかく詳細まで緻密に練り上げたプランであっても、
いざ実行しようとしたときには、既に時代遅れとなってしまっては意味がありません。
しかも、実行するためのハードルやコストはどんどん下がっているため、
とりあえずまずはやってみて、その結果をチェックしながら、
軌道修正をしていく方が今の時代にはあっているということになります。
よく「走りながらやってみる」と言いますよね。
失敗しても取り返しがつく世の中になっているということは、
数多く失敗して、DCPAサイクルをたくさん回した人のほうが、
成長できる学びが多いということです。
むしろ、これだけ変化のスピードが早い現代では
1つのことだけをずっとやり続けることの方がリスクになるということは
納得です。
その点においても、
「試行回数を上げる」という考え方は、
仕事や働き方だけでなく、人生全般で役立つものだと考えてOKだと思います。
全体像をつかむクセ
一連の仕事の中で、
どこからどこまでが自分の守備範囲なのか。
最終的に出すアウトプットの中で自分が果たすべき役割は何なのか。
あらかじめ、そうしたことをつかんでいないと、
自分にできること、できないこともわからないし、
ムダなことに労力をかけてしまうかもしれません。
つまり、
それを避けるために、ラフでもいいから先に全体像をつかむクセをつけておく必要があります。
これは私もおおいに賛成です。
たとえば、
プレゼンの資料を9枚でまとめるとすると、
出所::どこでも誰とでも働ける〜12の会社で学んだ”これから”の仕事と転職のルール〜/尾原和啓 著
まず9分割して、1枚目は、「市場調査」、2枚目は「情報課題」、
3枚目は「チャンス課題」と、タイトルに書き込んでいきます。
4枚目でそこから見える「仮説」を提示し、5枚目で「仮説の検証方法」を説明したら、
6枚目は実際の「アクション」です。
そして7枚目で「中期マイルストーン」を明示し、8枚目で「リスク」を予測して、
最後の9枚目で「結論」を述べます。
こうして先に全体のストーリーをつくって、各ページの役割分担が決まったら、
出所::どこでも誰とでも働ける〜12の会社で学んだ”これから”の仕事と転職のルール〜/尾原和啓 著
次にやるのは、各ページに入る「1行メッセージ」を考えることです。
この1行メッセージさえ見れば、
クライアントにこちらの提案を理解し、納得してもらえる。
そういう全体像を先につくっておくことがポイントです。
この時点では、「1行メッセージ」の他はブランクでOK。
「1行メッセージ」が完成したら、各ページの中身を吟味していくという流れです。
「始まりの場所」にいる大切さ
自分の強みをつくったり、自分を成長させたりするときに、いちばん簡単なのは、
出所::どこでも誰とでも働ける〜12の会社で学んだ”これから”の仕事と転職のルール〜/尾原和啓 著
何かが始まる場所にいることです。
もう何十何も続いているようなビジネスには、
出所::どこでも誰とでも働ける〜12の会社で学んだ”これから”の仕事と転職のルール〜/尾原和啓 著
業界歴20年、30年、のベテラン選手がたくさんいるので、
その人たちに認められ、自分がその道のプロと名乗れるようになるまでに、
10年以上の歳月が必要かもしれません。
しかし、みんなが一斉にスタートラインに並ぶ「始まりの場所」では、
1〜2年精力的に動き回るだけで、あなたは完全にその道のプロとして、
業界内で一定のポジションを築くことができます。
半年後に何が流行っているのかを予測するのは難しくても、
5年後、10年後にどんな変化が起こるかはある程度予測しやすいと言います。
未来予測は人々の想像の範囲内にあるわけで、
イノベーションの大き右派人間の想像力によってようやく追いついただけのことだからです。
未来予測の資料を読むコツは、最新版を読むときに、
出所:どこでも誰とでも働ける〜12の会社で学んだ”これから”の仕事と転職のルール〜/尾原和啓 著
1年前と3年前のものを同時にチェックすることです。
そこで何が当たって、何が外れたかのかを書き出します。
すると、どの部分がボトルネックになって実現しなかったのか、
課題は技術にあるのか、それとも法規則の問題なのか、
国ごとの商習慣の違いが原因なのか、
ユーザーの心理的ハードルを乗り換えられなかったのかが見えてきます。
ストリートスマートで常識の壁を超える
「ストリートスマート」の対義語は、「ブックスマート」です。
ブックスマートは、
お勉強ができる賢さという意味で、
バカにしているニュアンスが入っているのが分かりますよね。
ストリートスマートというのは、
その場の状況に応じて臨機応変に、「それってこういうことだよね」と
そもそもの本質に立ち返って考える力のことを指します。
たとえば、あるキャンペーンで、
「かけられるコストは100万円以下」という規制条件を与えられた場合。「その100万円以下というのは本当に制約条件なのか?」と疑うのが、スマートストリート。
プロジェクトマネジメントは、
クオリティとコストと納期のバランスをどう取るかで決まる。
この3つのうちどれかは制約条件で、どれかが目的関数。ほとんどの場合、クオリティをマックスにするのが目的関数で、コストと納期は制約条件となる。
「100万円以下で3月末まで」といった具合。ところが、クオリティを高めようとすると、コストはどうしても上がってしまう。
「100万円以下」という制約条件を守れなくなってくる。そこで、そもそも「100万円」という数字は接待なのかを疑ってみる。
よくよく調べると、
「コストを売上目標500万円の20%以内に抑える」というのが「100万円」の根拠らしい。だとしたら、制約条件は「100万円以下」ではなく、「売上の20%以内」であるはず。
そう考えると、売上を倍にできるなら、
コストも倍の200万円までかけることができる。200万円かければ、クオリティも上がり、納期も短縮可能。
結果、競合他者を出し抜くことができるかも。
みんなが勝手に「100万円以下で3月末まで」と思い込んでいるなら、
出所:どこでも誰とでも働ける〜12の会社で学んだ”これから”の仕事と転職のルール〜/尾原和啓 著
その裏をかいて制約条件を見直せば、
突然選択肢がグンと広がる。
それがストリートスマートの考え方というわけです。
※要約のため少し表現を変えています。
世の中のゆがみを見つけて解決するハッカー的な生き方と
世間の常識を疑って逆張りできるストリートスマートの発想は、ほとんど一緒だそうです。
慣れてしまった「暗黙の了解」や「ルール」を疑ってみることで
新しいアイデアが出てくるし、思わぬ切り口が見つかる場合だってあります。
制約条件は本当に制約となるのか、
それが意味するところの本質を掘り下げてみるクセをつけることから
試してみたいと思いました◎
皆さんもぜひ試してみてはいかがでしょうか!
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