人に分かりやすく説明するのって難しくないですか?
自分には分かりやすくシンプルに相手に伝えるための表現能力がないから。。
なんて思っていませんか?
違う違うそうじゃない。
実際には、
説明が上手くいかいない問題の本質は、「言いたいことが決まっていない」ことなんです。
ということで今回は、『一番伝わる説明の順番/田中耕比古』を読んで学んだ
内容と私が本書を読んで印象に残った内容について紹介したいと思います。
説明が苦手な人は、相手の頭の中を整理できていない
相手の思考を整理できていないと、
何をどの順番で説明するのか整理できません。
相手の思考を整理できていないと、
説明する相手の理解レベルを意識できません。
自分が何を言いたいのか決まっていないと、
相手の思考を整理できません。
自分が考えた順、経験した順で説明しても伝わらない
自分が伝えやすい順番や考えた順番では相手に伝わらないのは、
それが相手の聞きたい順番でもなければ、理解しやすい順番でもないからです。
説明上手さんは、
「自分が考えた順番」ではなく
「相手が聞きたい順番」を考えます。
説明上手になるために極めて大切なのは、目的に沿って、
正しい順番で物事を伝える、ということです。
専門家の話は伝わりにくい
専門家の話が伝わりにくいのは、
専門家はなんやら小難しい言葉や単語を頻発するからです。
専門家同士でないとわからないような専門用語をふんだんに使って説明してしまうんです。
つまり、「相手のレベルに合わせた説明ができていない」ということです。
専門家の話がわかりにくいのは、
「聞き手がどういうレベルで物事を理解したいのか」
を見極めれられていないことが原因で、
説明する側が相手の理解状況をしっかりと推し量れていないから
もしくは推し量ろうとさえしていないからというわけです。
もう少し噛み砕くと、
全て自分目線でしか物事を考えておらず
相手目線で考えるということができていないということです。
普段自分は当たり前のように専門用語を使っているからそれが当たり前で
相手も知っていて当たり前という思考。
または、知らない相手が悪いというような思考をしているということです。
または、わざと難解にしているケースもあります。
一般用語じゃない用語を使うことで、
「なんとなくよさそう」「正しそう」と思わせるために使われているケースが該当します。
ほんとはシンプルに伝えられるものでも、あえて一癖ある表現を選択するケース。
例えば「タウリン1000mg」。
テレビCMのイメージで、
多分なんとなく疲れたときに飲んだら効くんでしょ?
と言う認識なのではないかと思います。
そう思うように仕向けられているからです。
そもそもタウリンってなんでしょうね?
1000mgって 1gですが、タウリンってmgで表すのが正式なのですか?
1gの方がイメージしやすいし、
伝わりやすさでいえば、1gの方がシンプルで伝わりやすくありませんか?
1000mgなんていわれるとすごい量が入っていそうですよね。
相手を煙に巻きたいという場合でないのなら、
説明することや内容は、相手に合わせる意識を持つことがポイントとなります。
結論は短く、その説明は長くてもかまわない
「要するに◯◯」
出所:一番伝わる説明の順番/田中耕比古
「つまり◯◯」
「一言で言うと◯◯」
「端的にいえば◯◯」
「シンプルにいえば◯◯」
「すなわち◯◯」
というように、一言で要約した言葉で表すこと。
長い説明や報告、主張を一言で要約して表したものが「本質(結論)」です。
本質はなんなのか、「その事象をうまく表した一言」
言い換えればあなたの考える「解釈」です。
「私はこう考えている」ということをまず一言で表して伝えてから、
それを説明していくと分かりやすく伝わるハズです。
つまり、大切なのは、
結論・主張・本質は一言で表して伝える。
それについて詳しく説明したり、補足するのは長くてもOKということです。
説明上手は「要約」と「本質の見極め」がうまい
週末に彼女と新宿駅で待ち合わせして、白いロマンスカー(VSE)に乗って、
出所:一番伝わる説明の順番/田中耕比古
ガンダムみたいだね、と盛り上がったあとで、
社内で景色を見ながら生ビールで乾杯して、
箱根湯本で川沿いを10分ほど上流に歩いた店で蕎麦を食べてから、
ケーブルカーで強羅に行く途中、
彫刻の森美術館で足湯に入りながらシャンパン飲んでから、
強羅温泉で一泊し、翌日はロープウェイで大涌谷を経由して芦ノ湖の海賊船に乗り、
その後、バスで箱根湯本に移動し、ロマンスカーで帰ってきました。
例えばこの話を要約するときに、
「週末に旅行に行った」と表すのと、
「彼女と箱根旅行」とか「ロマンスカーで生ビール」と表すのとでは
具体的な情景の思い浮かび方に差が出ていると思います。
後者の方が具体的な情景やイメージが浮かびやすくないですか?
ポイントは「具体的な状況をイメージさせるキーワードを選んだまとめを作る」ことです。
具体的な情景が思い浮かぶキーワードを選んで、
相手にイメージを想起させる「サマリー」でないと何も伝わらないんです。
何かを伝えるときは、
とことん具体的に考えて、その中で一番伝えるべき内容・伝えたい内容(=要点)を
厳選して抽出して、相手がイメージできるように伝えることが説明上手になるコツ
なんだと思います。
書かれない思考は思考ではない
書くという行為は、思考を「言語化」「可視化」する作業にほかならなりません。
出所:一番伝わる説明の順番/田中耕比古
ノートに書き出すことで、
頭の中にあった「主観」を「客観」としてとらえ直すことができるようになります。
こうすることで、
自分なりに考えた論理破綻が起こっていないか、
足りていない情報がないか、などを冷静に評価できるようになるわけです。
「紙に書く」ということを、
いざやってみようとしたとき、「意外と書けない。。。」という事態に陥る人って
結構多いそうなんです。
自分の思考を書き出すだけなのに、なぜ書けないのか?
これはつまり、
説明がうまくいかない問題の本質は、
多くの場合「言いたいことが決まっていない」ということ。
実際、
「端的に表現できない」「まとめる能力が足りない」と悩んでいる人の多くが
「そもそも、言いたいことが自分自身でよくわかっていなかった」という状態だった
ということが本書で紹介されています。
これは、その人の頭がいいとか悪いとか、そういうことはまったく別の話です。
出所:一番伝わる説明の順番/田中耕比古
単に「まず書いて、客観的に眺める」という、基本動作を知らないだけなのです。
なるほど、「まず書いて、客観的に眺める」という、基本動作を知らなかっただけ。
そのポイント5つが下記の通り。
- 経験した順番、考えた順番ですべて書き出す
- 伝えたいことに、赤ペンや蛍光ペンを使って印をつける
- 印のついた部分をカタマリとしてまとめ直す
- 各カタマリについて、再度、文章としてまとめて書き起こす
- カタマリの並び順=説明順序を決める
質問をして、相手が欲しい情報を見つけ出す
思考は頭の中でまとまることは少なく、アウトプットするときにはじめて形になります。
逆にいえば、アウトプットしない限り、思考は実際にはまとまらないということです。
このことは相手も同様なので
相手に頭を整理してもらうためには、相手に話してもらうことが一番です。
そのために最適な手段が「質問」ということになります。
「相手に、自分の思考を自覚してもらう」ということは、
相手の思考を整理することそのものだということだからです。
そのため、特に提案を伴う説明を行う前提としては、
質問をして、相手が本当に求めていること・情報を見つけ出してあげることが大切になってきます。
大事なのは調べること
事実を知らなければ、何も説明できません。
よくわからない状況で説明しようとしても無理があります。
説明するためには、「わかっている」状態になっていなければなりません。
確かに、池上彰さんが説明上手、わかりやすい、面白いと言われるのは、
他の人が知らないことを自分なりに理解しているからですよね。
説明上手というのは、
伝え方が上手いだけでは不十分で、伝え方が上手いのと同時にその知識を十分に
持っていることが大切です。
つまり、
何かを説明しようと思ったら、なんとなく理解したままで終わらず、
必要な情報を調べたり集めたりする必要があるということです。
優先順位をつけるための「捨てる技術」
「戦略とは捨てること」という言葉があるほどです。
何をするかではなく、何をしないかを定めることで、
より重要なものにリソースを集中することができるからです。
言われた相手も一度に4つも5つも記憶に残りません。
あまりたくさん情報を受け取ると下手するとひとつも記憶に残らなくなってしまいます。
あれこれ説明したいという気持ちをグッとこらえて、ひとつだけに絞る。
この時のポイントは、「どういう状況で、誰に伝えようとしているか」ということ。
絞り込む訓練をすると、説明力や思考力が高まるそうです。
一言でその人物や物事を表す「あだ名をつける」という高度な概念化
お笑い芸人の有吉さんが得意なあれです。
お笑い芸人の品川を「おしゃべりクソ野郎」と表現したあの一言は、しびれましたよね。
あだ名づけは、その対象物の本質を探すことに力を注ぐことそのものです。
どう表現したらわかりやすく伝わるかを考えることになります。
あだ名をつけるトレーニングはしてみる価値が大いにあると思います!
ハウツーを知ることはもちろん大切ですが、
知るだけではすぐに習得はできないので、
トレーニングを積み重ねていきたいと思います◎
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